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【前回】 2004年 1月
お役所の仕事始めから..数日後。
どうも気になっていた事があります。
爺さん..、雇われの時代も含めて、せっせと支払った年金は、何処へいった?
無年金じゃあるまいし、2ヶ月に一度、支給されるモノが、何処に消え去るのか不思議でしょうがない。
爺さんに聞いても、「貰ってない!」の一点張りで、ラチがあかない。
本当に貰ってないとしても、もともと受給資格が無いのか、それとも..某かの理由で受給できてないのか?
その辺の疑問を、○○課にぶつけたら、
「管轄が違うのでわからない」とのこと。聞いたワシが間違ってました (ノ_-;)ハア…
すったもんだのあげく..たどり着いたのか..社会保険庁。
ノコノコ出かけていったところで、他人の年金情報など教えてくれるはずもなく、
しょうがないので..本人を連れてゆきました。
怪しいオッサンが、ヨタヨタの爺さんとともに..年金の受給窓口へ。
誰がどぉ見ても、年金をあてにしたサラ金の取り立て屋やでぇ..ほんまに。
この年金の担当者のやりとりを、文章にすると..
それだけで、小説が書けるぐらい..長くなってしまうので、ざっくり割愛。
興味ある人は、会った時にでも..聞いてください (笑)
さて..結論から申しますと、爺さんの年金は、ちゃんとでてました。
しかも、月々にして..10万円も..。
こんなけあるんなら、家賃を払っても、年寄り一人がかろうじて暮らせます。
では..いったい、この年金は毎月..何処に消えているのか?
この答えは..爺さんの部屋のポストにありました。
そこには、山ほどの金融屋からの督促状ありました。
まさか?!と思いつつ..
私「爺さん、あんたの預金通帳、全部..見せてくれるか?」
爺「金なんて無い!」
私「無いのは知っとる!..一応、それを目で確認したいんじゃ」
爺「けったいな趣味じゃのぉ..」
私「ほっとけ!..うだうだ言うてんと、はよ見せてんかっ!」
爺「これじゃ!」
..20冊はあったでしょうか?
ものの見事にスッカラカンの預金通帳が..。
私「は? なんじゃこりゃ? 証券会社の取引明細?」
爺「株やな..昔は、儲けたけど..最近は、あかん....金も無いし..」
よぉわからん..爺さんです。この人、ほんとにボケとるのか?
私「年金の入ってくる口座は、どれじゃ?」
爺「そんな口座は..無い」
私「無いこと無いやろぉ〜 社会保険事務所も、ちゃんと払ってるって言うとったやないかっ!」
爺「無いもんは..無い!」
私「爺さん、この場におよんで、まだそんな事..言うか?」
爺「無いちゅうたら..無い!」
..すぐさま、爺さんを車に押しこんで、社会保険事務所へ..逆戻りです。
事情を説明して、年金の払い込み先の口座を教えてもらいました。
それは、マンション近くにある郵便局の総合口座になっていました。
ところが..困った事に、その通帳もキャッシュカードも..部屋の何処にも見あたりません。
嫌な予感がしました Σ( ̄□ ̄;)
通帳もカードも..取り立て屋の手中にあるかもしれん.. orz
またもや、爺さんを車に押し込んで、郵便局の窓口に駆け込みました。
あぁ..またまた..係員の怪しい奴を見る目です (T▽T)
身分証明書を見せつつ、今までの一部始終を話しすると、
通帳とカードの再発行手続きをしてくれました。
2週間後、再発行された通帳が届きました。
数日後、年金の入金日に、爺さんと郵便局に..行きました。
ちゃんと年金の入金がありました。
そして..同日にほぼ全額が引き落とされてました。
それも..超大手のアノ会社の名前で.. (▼▼メ)
爺さんが年金を貰ってないと言っていたのは、事実でした。
正確には、貰っているけど使えないですけどね。
例の引き落としは、おそらく..合法的なものでしょう。
しかし、爺さんが生きてゆくうえで..絶対に必要な年金です。
借金の返済の自動引き落としで、生活費に困る。
金がないから、金を借りる..借金がまた増える。
これの無限連鎖を繰り返すと、先は誰の目にも明かです。
私「爺さん、あかんやんか! こんな状態やったら..いつまでたっても、生活でけへんでぇ〜」
爺「腹減った....」
○○課の担当者に、今までのいきさつを説明しました。
ここから先に..私がとろうとしている行動は、
爺さんと利害関係にある私にとって、非常に..危ういグレーゾーンな行為です。
なもんで、公的な後ろ盾がないと、出るとこに出ると..ちとやばいっす (^◇^;)
そんな事情があるから、役所を巻き込んで..と思っていましたが、
..やぱりあの連中は、使えん奴らでした..orz
でも、今..ここで、それが面倒だからと、爺さんを追い出すのは簡単です。
既に..家賃滞納も4ヶ月目を迎えました。
それを理由に、着の身着のまま..放り出せばすむことです。
でも、それをしたところで、家主も爺さんも、なんら得することなどありません。
爺さんが安心して、うちのマンションに住み続けられて、ちゃんと食えること。
家主さんも、家賃をちゃんともらえること。
..そのためには、アレをするしかありませんでした。
爺さんに一応..説明しました。
「好きにしてくれ!」と..少々投げやりな返事を貰いました。
郵便局に爺さんと一緒に行きました。
そこで新しい口座を作り、その口座に年金を入金してもらうよう..社会保険庁で、送金先の変更を行いました。
こうすることによって、自動引き落としされることは無くなります。
次に、爺さん専用の会計帳面を作りました。
この帳面には、爺さんと私、そして管理人と同居人のT氏の署名捺印欄があります。
賢明な方なら、もぉおわかりですね。
爺さんの年金を、4人で管理運営することにしたのです。
くどいようですが、爺さんも..同意の上ですよ! d(vv;
年金が入ったら、まず..家賃を入金していただく。
そして、光熱費をそこから支払って、爺さんの食費である..3万円も引き出す。
残ったお金は、そのまま..口座に置いておく。
この一連のお金の流れを、4人が随時、同意のもと行ったと証明できるように..しておきます。
もっとも、先にも述べましたが、私も管理人も、爺さんと利害関係にありますし、
ましてや爺さんは、痴呆進行中のお方。争い事になれば.... 微妙.. ヾ(・・;)ォィォィ
まぁ..そうなった時は、そうなった時!
..○○課も巻き込んで、玉砕してやる!..ってのは、冗談でして..。
通帳も印鑑も、カードも、爺さんに持たせておけば..なんとか切り抜けられるとふみました。
しかし.. これが甘かった.. orz
なんと爺さん、年金が出た日に、全額出金して..
飲むわぁ〜 食うわぁ..パチンコするわぁ.. (ノ_-;)ハア…
あっという間に..スッカラカンです..
..ったく、金を使うことに関しては、まったくボケてないのは、どうゅうことじゃ!?
通帳とカードを、取り上げたのは,,言うまでもありません.... orz
1週間の食費として、¥10000を渡したところで、
初日に使ってしまって、残り..6日間は、無銭飲食や万引きで食いつなぐ始末。
その尻ぬぐいさせられる身にもなれ!ちゅうの! (▼▼メ)
しょうがないから、爺さんが立ち回りそうな飲食店の全てに、
顔写真付きで、手配書をまきました。以下、その文章の抜粋..
この人には、前金で料理を提供してください。
現金を所持していないときは、絶対に提供しないでください。
後払いで料理を出した場合、無銭飲食の可能性があります。
..人権侵害と言われようが..なんとでもしたるわい!
爺さんにこれ以上、犯罪行為をさせないために、仕方がないんじゃ!
毎日、¥1000を渡したところで、パチンコですってくる。
どぉしたものかと..悩みに悩んだあげく..、
介護施設が提供してくれる..宅配弁当を..無理いってお願いしました。
勿論、月払いなので、会計管理の我々が、代払いします。
大人しく、部屋で待っていれば、綺麗なお姉さんが、毎日..お弁当を運んでくれます。
これで、爺さんが腹を空かせて、無銭飲食・万引き行為に走らなくなりました。
とりあえず..人間的な生活が送れる目途が、たちました。
この頃になると、爺さんの痴呆も、誰がみてもそれとわかるまで、進行していました。
勿論、全入居者..63世帯..みんなの知るところです。
廊下ですれ違う入居者の、私を見る目が..今までと..かなり違って見えました。
みんな知らなぷりしながらも、じっと事の成り行きを見守っています。
「家主さんが、そこまでするかぁ〜」の声が大きくなるにつれ..
..いつまでもこのままじゃ、良くも悪くも..ええことないなぁ〜の状況になってきました。
○○課との.."最終決戦"まで..数ヶ月前の事でした。
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