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【前回】 2003年 春
爺さんが、数年ぶりに..家賃滞納しました。
私はまだ、彼が失業しているとは、知りません。
"入金督促"をすると、遅れながらも入金がありますが、
そのころより、期日を守られなくなりました。
滞納しては、ドバッと2ヶ月分を入金..したかと思いきや、翌月は、また滞納。
これを繰り返すようになってきました。
これは、かなりの【赤信号】です。
..遅れながらも入金があるから..なんてのは、素人の考えです。
こぉゆう入金の仕方になってくると、遅かれ早かれ..
全く払わなくなって、"追い出し"にするか、
ある日突然に姿を消す..つまり、"夜逃げ"をするか
..のどちらかになります。
いづれにしても、家主さんが得することなど、何もない.."不良"入居者と成ってしまいます。
爺さんの場合は、夜逃げするにも..行く当ての無い身だったので、
..恐らく、このままでは、家賃滞納を理由にした、追い出しとなる..ハズでした。
2003年 夏
真夜中の2時に、携帯電話が鳴りました。
発信者を見ると、マンションの管理人です。
私「どしたの?」
管「爺さんが、捕まったらしい.. 今、警察から電話があったのよぉ」
私「は? 爺さんが捕まった? また何で?」
管「自転車ドロボーやてぇ〜」
私「で、なんで..この夜中に?」
管「身元引受人が無いと、釈放できへんらしいのよぉ」
私「あぁ..だろうな..」
管「で、警察が言うには、あの爺さんな..身内・友人などおらん!言うねんて..」
私「ウソばっか言うてるなぁ (笑)」
管「途方に暮れた警察が、住んでいるマンションを聞き出して、
管理人に"身元引受人になれって!"..って電話してきよったのよぉ」
私「そんなん..なったらアカンでぇ〜 そんなことまで管理せんでよろし! (▼▼メ)」
管「でしょ? でもひつこいのよぉ 警察が困るいうてぇ..」
私「んなアホな! 困ってるのは、管理人やしぃ〜
この真夜中に電話で叩き起こされた家主さんなんか、もっと困っとるがな.. orz
わかった!ワシが警察に電話したるから、担当者の名前..教えて」
警察に電話しました。
安眠を妨害されたのも..腹たつけど、なんで自転車ドロボーやねん!
結局のところ..身元引受人無しで、
彼は..サイレン無しの..赤灯まわしたパトカーで..送られてきました。
後になって言えることなんですが、この事件は..最初の第一歩でしかありませんでした。
その後、爺さんは、自転車ドロボーはもとより、
昼夜を問わず、マンション周辺を徘徊しては、無銭飲食・万引き・無賃乗車..を繰り返し、
所轄の警察署では、誰しも知っている有名人となってゆくのです。
また警察にお世話になるだけではなく、消防署(救急)の世話になる回数も増えてゆきます。
大きな国道の信号を無視して、自転車で突っ切り、跳ねられるは..当て逃げされるは..序の口。
ドブ川に自転車ごと落ちて、危うく溺死しかけるところを、近所のおばちゃんに助けられ、
電柱にぶつかって..頭から血を流したまま..歩いてるところを、通りがかった救急車に保護されるし....
その度に、管理人と私は..あっちこっちに振り回されました。
..ったく、そんなことするのに、家賃を貰ってるのとちゃうでぇ〜 (▼▼メ)
爺さんの"奇行"が、誰の目にも..おかしいと思えるようになった頃。
うちのマンション周辺に、フルスモークの怪しげなセダンが、ウロウロするようになってきました。
乗っている奴は、一応..小綺麗なスーツを着ていますが、目つきが..あきらかに..取り立て屋です。
こんな連中がウロつくということは、うちの入居者の誰かが..【万歳】間近か..って証拠で、
家主さんにとっても、捨て置けない状況です。
爺さんの家賃が、また..滞りました。
いつものごとく..督促に向かったのですが、あいにく..爺さんは留守。
同居人のT氏が、玄関口に出てきました。
私「やっ!・ちっ!・んっ!..どないなってますねん! (▼▼メ) 」
T「ちゃんと払ってますやろぉ〜」
私「冗談は、顔だけにしてやぁ〜..もぉ 2ヶ月分も溜まってるでぇ〜」
T「んなアホな! 先月に、わしの持分の4ヶ月分..つまり
ここの2ヶ月分にあたるお金を、爺さんに渡したでぇ〜」
私「うちには、入金無いでぇ〜」
T「ウソやぁ〜...ほんなら、爺さんが..使い込みよったか?」
私「内輪の話しなんか、どぉでもエエ!.. うちに2ヶ月の家賃が入ってないのは、事実や!
ガタガタ言うてんと、2ヶ月分..はよ出してんかっ! (▼▼メ) 」
..テンションが上がってきた頃、ノコノコと爺さんが帰ってきました。
私「どこホッツキ歩いとってん!..家賃は? どないなってんねん!」
爺「あぁ..家賃な..家賃..家賃..」
T「おまえ! ワシが渡した金、払って無いんかい!」
爺「あぁ..家賃な..家賃..家賃..」
私「わかってんねんやったら、払わんかい!」
爺「・・・・・ 無い」
私「無いこと無いやろがぁ!.. T氏が..出した金は?!」
爺「何処かに..のぉなった」 ←何処かに無くなった
T「エエカゲンなこと言うな!」
..延々とこれの繰り返し.. (ノ_-;)ハア…
私「毎月、年金も入ってくるやろぉ〜..無茶せんかったら、それで家賃ぐらい払えるハズや!」
爺「わし..年金..無いねん」
私「もぉ..エエって!..わかってるって! (▼▼メ) 」
爺「そやさかい..ほんとに..年金なんか..もろてないねん..ほんとやねん..」
いくら日本の国が、年寄りに厳しくなったとはいえ、爺さんが無年金のハズがありません。
それに、T氏が負担する家賃が、そぉ簡単に消え去るワケありません。
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